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第二次世界大戦前後の1930〜1940年代にチェコスロバキア軍(主に空軍および陸軍の作戦統制用)へ納入された、歴史的価値の高いミリタリークロノグラフ(軍用観測時計)です。
ケースバック(裏蓋)に刻印されている 「Majetek vojenské správy」 は、チェコ語で「軍管区(軍事管理部門)の所有物(Property of the Military Administration)」を意味します。同軍の支給品としてはロンジン、レマニア、エテルナによるクッション型の腕時計が広く知られていますが、作戦本部での管制や航空航法、各種計測用として、ホイヤーをはじめとする精密クロノグラフ懐中時計も同様の刻印を施して支給されていました。
第二次世界大戦期、ホイヤー(現タグ・ホイヤー)はクロノグラフおよびストップウォッチ分野で高い技術力を誇り、ドイツ空軍、スイス軍、チェコ軍など各国軍隊へ製品を供給していました。
ムーブメントには、19リーニュという極めて大型のプレートを持つ「Valjoux Caliber 76(バルジュー76)」を搭載しています。
各種レバー類やスプリングなどの構成パーツが強靭に作られており、極めて高い堅牢性を誇ります。
クロノグラフの制御機構には伝統的なコラムホイールを採用し、スタート・ストップ・リセット時に確実な操作感と正確な作動を実現。
作動方式にはスイス製クロノグラフの王道であるキャリングアーム式の水平クラッチ(Lateral Clutch)を備え、歯車の噛み合いやクリアランス調整をダイレクトに行えるほか、機械としても視覚的に大変美しく完成されています。
また、軍用観測時計に組み込まれたValjoux 76には、過酷な環境下での温度変化や振動に耐えうる耐震補強のほか、高精度なヒゲゼンマイによる入念な歩度調整が施されています。
文字盤にはポーセリンを採用。
ミリタリーウォッチらしい大型のアラビア数字インデックスと、白文字盤に映えるブルースチール仕上げの美しい針が抜群の視認性を誇ります。
経年による細かな傷などは見られるものの目立つものではなく、この時計が歩んできた深い歴史を感じ取ることができます。
チェコ軍に支給されたクロノグラフ懐中時計は、ナチス・ドイツによるチェコスロバキア併合やその後の激動の欧州情勢の中で多くが失われたため、現存個体が極めて少ない希少なコレクターズアイテムとして知られています。
特にオリジナル文字盤と鮮明な刻印が残っている個体は、軍用時計史およびホイヤー史の両面で高く評価される逸品です。
年代:1940年代
機械/ 手巻き 17石 5振動
Cal.76
ムーブシリアル/179021 ケースシリアル/177929 ケースRef/-
ケース素材/ クロームメッキ (本体重量:約105.3g)
サイズ:約52mm(竜頭含まず) 竜頭:約12mm 厚さ:約17.5mm
補足
OH済み (非防水)
文字板/オリジナル (ポーセリン) 竜頭/オリジナル
MAJETEK VOJENSKE SPRAVY 56.098
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